「なら燈花会」で揺らめくランタンを眺めた(奈良#1)

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2024年8月、大阪から奈良公園で開催される「なら燈花会」に行ってきた。燈花会は毎年8月前半に行われ、ろうそくのランタンで公園内の道を飾り、夕焼けの中で火の揺らめきを楽しむイベントだ。特に華やかな演出はなく、シンプルで奈良らしい雰囲気が魅力。ゆっくりとした時が流れる夕方、撮影を存分に楽しむことができた。

本記事では現地の様子に加え、おすすめ撮影スポットと、実際に撮影した写真をご紹介したい。
(奈良市内でのカフェ巡りは別の記事に紹介を譲る。)

「なら燈花会」とは

2024年8月、大阪から自動車で「なら燈花会」に向かった。「なら燈花会」とは毎年8月前半の10日間に行われ、ろうそくの入ったランタンで奈良公園内の道を飾りつけ、夕焼けのなか揺らめく火を眺めるイベントだ。

夕方、奈良公園に到着すると、すでに多くの人々が湖の欄干に腰をかけ、夕焼けを楽しんでいた。特に華やかな演出や過度な装飾は一切なく、ただ日が暮れていく中でろうそくのランタンを眺めるという、実に素朴で奈良らしいイベントである。「皆何を待ってるの?何か始まるの?!」って言ってる海外の人が印象的だった。違うんです。みんな夕焼けの中、炎の揺らめきを観てるだけなのだ

(注意)どこで書くべきか迷ったが、本イベントは三脚の利用禁止である。大混雑の中、明かりの少ない奈良公園を撮影するのは非常に難儀した。

公園内を歩いていると、浮雲園地浅茅ヶ原浮見堂興福寺など、さまざまな会場が用意されている。①各会場を次々と渡り歩いて、より多くのスポットを巡るアプローチと、②一つの会場で時間が過ぎるのをゆっくりと待つ、という2つのアプローチがあると思われる。「なら燈花会」については、夕焼けとランタンの調和が非常に味わい深いイベントであるため、②後者の楽しみ方が良いと考えている

歩きながら道端に現れた鹿に出会った。奈良市内の特別な一面で、鹿は人間に全く恐れを示さず、近づいてきた。その自然体が、実に奈良らしくて良い。

ところで、鹿はすぐにカメラ目線をくれる。(奈良の鹿に限らず、エゾシカなども同様、と個人的には思っている。)あまりにカメラ目線の写真は少々陳腐に見えるのが少し悲しいところである。

猿沢池

数ある会場のうち、おすすめスポットは断然「猿沢池」。燈花会の景色を撮影するには、50mmのようなやや望遠のレンズが非常に適しているように感じる。こういったレンズを使って、ろうそくの灯りを背景に玉ボケを楽しめるスポットが猿沢池だ

猿沢池

下記は猿沢池の東側からの一コマ。対岸にはスターバックスが営業しており、暖色と寒色のバランスに一役買ってくれている。

友人と買ってきたビールを飲みながら、写真を撮っては黄昏て、のサイクルを繰り返すこと1時間ようやく日が暮れてきた。この辺の写真を撮った後、我々は猿沢池を後にし、隣の会場である浮御堂に向かった。

京都のようにビールや軽食を販売する屋台が並んでいるわけでもなく、けばけばしい商売っ気があまりなかったのも好感度の高い理由の一つ。みんなコンビニで買ってきたビールやアイスを楽しみながら、自由に楽しんでいた。(もちろん有料の観覧席などもない)

浮御堂

浮御堂は猿沢池の東側、奈良公園「鷺池」に浮かぶ八角堂形式のお堂。このお堂やその橋の周囲から池に浮かんだ船や湖畔のランタンを眺めることができる。湖畔に立つランタンの灯りが、水面に映り込み、幻想的な景色を作っていた。

浮見堂

下記は浮見堂のちょうど手前からの一コマ。現場は大混雑しており、三脚は利用禁止であったため、撮影には難儀した。

ろうそくの揺らめく光が幻想的で、実に奈良らしい良いイベントであった。京都のようなけばけばしい商売っ気も薄く、また来年の夏もぜひ見に来たいと思っている。

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